ZEH(ネットゼロ・エネルギー・ハウス)とは
ZEH(ゼッチ)は快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることにより1年間で消費する住宅エネルギー量が正味(ネット)でおおむねゼロ以下となる住宅です。
住宅でのエネルギー消費を極力抑え、災害時でもエネルギー的に自立した住宅として、ZEHが注目されています。
我が国の「エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)」に置いて、ZEHの実現・普及目標が設定されています。
●2020年までに、標準的な新築住宅でZEHを実現
●2030年までに、新築住宅の平均でZEHを実現
ZEH支援事業
2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すための支援事業です。
新築、改修、建売住宅の購入において、高断熱、省エネルギー設備の設置、太陽光発電等創エネルギーシステムの導入など要件を満たせば定額75万円の補助金が交付されます。
さらに蓄電システムを導入で蓄電容量により最大で40万円の加算があります。
(上記は平成29年度公募要件です。年度ごとに多少内容が変わります。)
交付要件
以下の要件をすべて満たす住宅
ZEHロードマップにおける「ZEHの定義」を満たしていること。
- 1)住宅の外皮性能は地域区分ごとに定められた強化外皮基準(UA値)以上であること。
- 2)設計一次エネルギー消費量は再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されていること。
- 3)太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを導入すること。(売電を行う場合は余剰買い取り方式)
- 4)設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること。
-
5)申請する住宅はSIIに登録されたZEHビルダーが設計、建築または販売を行う住宅であること。
- 6)要件を満たすエネルギー計測装置を導入すること。
- 7)既築住宅は、住宅全体の断熱改修を含み、導入する設備は原則としてすべて新たに導入すること。
太陽光発電の収支
- 新潟県高田では1年間におよそ4,000kWhの発電が見込まれ、平成28年度現在の売電価格33円で20年間に400万円の収支が見込まれます。(真南、4/10勾配、システム搭載容量5.0kWで試算)
- 平成28年度再生可能エネルギー固定価格買い取り制度では、10kW未満の搭載容量では10年間の買い取り価格固定で25~33円/kWhの余剰買取方式となります。(平成29年度は25~30円/kWhです。)
- 設置において、屋根の広さや向き、立地条件などによって搭載容量や費用が変わってきますので見積もりが必要となります。
- 妙高市(最大10万円)、上越市(最大12万円)、糸魚川市(最大26万円)など太陽光発電設置で市の補助金がもらえます。
省エネルギー住宅とは
| 高断熱 |
- 適切に断熱・気密化された住宅は、逃げていく熱量が半分以下になり、暖冷房費が低減されます。
- 冬期には壁などの表面温度が下がらないので同じ室温でも体感温度が高くなります。
- 部屋間の温度差も小さくなるので、室内の急激な温度変化によるヒートショックで心筋梗塞や脳血管障害などを起こすリスクも減ります。また、結露の発生も防げ、人体の健康面と建物の耐久性を高めることができます。
- 災害時のライフライン断絶時は外気の影響を受けにくいです。
| 省エネ設備 |
- 暖冷房設備:住宅設備はエネルギー消費の少ない高効率型のものを使います。2006年10月から製品に省エネ性能を表すラベルが表示されています。
- 給湯設備:エコキュートに代表される高効率給湯器、エコウィルやエネファームなどのコージェネレーションシステムを使うことが有効です。
- 換気設備:断熱性と気密性を向上させた住宅では、シックハウスや結露対策面からも計画換気が大切です。適切な換気方式により、省エネの換気設備を使います。
- 照明設備:電球形LEDランプは一般電球と比べ消費電力が1/4~1/6となります。省エネ性能の優れたものを使います。
- 太陽光設備:太陽電池と呼ばれる装置を用いて、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方式です。太陽光発電の最大のメリットは、エネルギー源が無尽蔵でクリーンである点です。
- 太陽熱設備:「ソーラーシステム」と「太陽熱温水器」があります。太陽光発電では太陽エネルギーの10%程度を利用するのに対し、太陽熱利用は40%以上のエネルギー利用が可能です。
断熱リフォーム
| 躯体の断熱リフォーム |
- 床、基礎:床面で改修する床断熱の方法と、床下空間を熱的に室内として扱う基礎断熱の方法があります。
- 外壁:壁内に断熱材を充填もしくは吹き込む方法と壁の外側に断熱材を張り付ける方法があります。
- 天井、屋根:天井面で断熱する方法と屋根面や桁上で断熱する方法があります。
| 窓の断熱リフォーム |
- サッシを交換:サッシ廻りの外壁もはぐる必要があるので、サッシ廻りの外壁の補修も必要です。
- カバー工法によるサッシ交換:既存のサッシ枠にカバー工法専用のサッシ枠を取り付けます。
- 内窓追加設置:既存サッシの内側に樹脂製の内窓専用サッシを取り付けて二重サッシ化します。
- ガラス交換:1枚板ガラスを複層ガラスや複層の低放射ガラスに交換します。枠はそのままなので、ガラス性能しか向上しません。
住宅省エネルギー基準
ただいま省エネ基準移行期です。
- 平成28年4月1日より省エネの新しい法律が施行されています。
- 4部門あった省エネ法から建築部門が独立し、建築物全体の省エネ性能の向上を目指しています。
- 平成25年の省エネ基準は平成29年の3月末で廃止される予定です。
- 主な改正点
- ① 窓の日射熱取得率の評価を、サッシ枠を考慮した数値に変更。付属部材の補正は従来通り。
- ② 一次エネルギー消費量計算に用いる外皮性能の指標を変更。
- ③ 使用基準における適用条件の撤廃。
大きな枠組みに変更はありませんが、計算過程や詳細が変わります。
300㎡以上の建築物の新築、増改築にかかる計画は省エネ基準に適合している旨を所管行政庁に届け出なければならなくなります。
伝統的木造住宅など、所管行政庁が地域の気候及び風土に応じた住まいづくりの観点から適切と認めた場合、特例はあります。
すべての建物において、省エネ認定が受けられます。新築、増築、改築、修繕などにおいて計画が性能向上計画認定を取得すると容積率特例などのメリットが受けられます。既存住宅が基準適合認定を受けると基準適合認定表示(eマーク)を付することができます。
ZEHビルダーとしての取り組みについて(事業計画)
| ZEH受託率目標(Nearly ZEN含む) |
| ZEHの周知・普及に向けた具体策 |
ホームページにてコーナーを設け、ZEHの性能やメリットをわかりやすく説明する。
ブログでも頻繁に取り上げる。
その中では、2030年には必要不可欠となる旨を説明し、必要性を伝える。
| ZEHのコストダウンに向けた具体策 |
高断熱、高性能サッシ、高効率住宅設備、エコキュート使用を標準仕様として使用メーカーを絞ることで割引率を上げる工夫をするほか、敷地条件に合わせて自然エネルギーを有効活用できる住宅の設計を提案することでランニングコストが少なく済むよう工夫をする。
| その他の取り組み |
住宅情報誌やチラシ、会社概要などにZEHへの取り組みの内容を掲載する。
完成見学会や相談会でZEHの具体的な内容を説明し、周知に努める。